Day13 5月25日(日)
二日間の停滞の後、鹿児島県阿久根市脇本海岸を後にする。
阿久根に滞在中は、高校ラグビー部の林先輩にお世話になる。
「若いときは、こいつは悪いことばっかりしよったもんねぇ。」
と、言われながら。
海峡は微妙。
漕げないことはないけれど、海の表情はそんなにフレンドリーではありません。
薩摩川内市を南下し、この日は串木野の手間の土川港というとても小さな港の堤防脇に泊まることにしました。
Day15 5月27日(火)
前日に、土川港から串木野、そして吹上浜に接岸せずまっすぐに南下、そのまま野間池港に。
途中で、サメにあったり、霞が強くなりまったく周りが見えなくなったり。
風と波も途中から強くなり。
だから、野間池港に到着したときは、本当にホッとしました。
それにしても野間池の刺身は、ビックリするほど美味しかったなぁ。
でも、この日はベタ凪(途中まででしたが)。よしっ!
心配していた野間岬も、ほら、こんなに静か。
岬を廻ったところも、まるで海が青い鏡のようです。
下の写真は、坊津付近。
これでは、あまり大きさがわからないと思いますが、少なくとも高さ20mはある不思議な形の岩です。
こんな岩が、所狭しと乱立している風景は、本当に息を呑むほどです。
入り組んだ海岸線を進むと、坊の岬が現れました。
この頃から、南東の風が次第に強くなる。
今までのベタ凪から、海の表情が変わり始める。
この日の日誌の書き出しは、以下のとおり。
「大変な日。甘く入ったのがいけなかった・・・」
左上に、小さく見えるのが坊の岬の灯台です。
小さく見えるけど、実物は大きいんです。
この岩、凱旋門みたいですよね。
穴の部分だけで、20m以上あるんじゃないかな。
巨大な岩のフォーメーションです。
ビックリしました。
これからが大変だったんです。
この岩を見た後に、岬の反対側へ。
水路を通って出てみるとそこは激しい三角波。
今までの凪はなんだったの?
まぁ、岬をかわしたら、よくあることだし。
なんて、余裕をかましていたら、なんとその状態が一時間漕いでも全然変わらず。
岸に近寄ると、変なブレークが襲ってくるので、どんどんと沖寄りを漕ぐことに。
でも、笠沙恵比寿の仮山さんに教えていただいた停泊予定の海岸は、きっとこの付近。
うーん。でも、近寄れないなぁ。
と、いうことで、予定を変えて、10km弱先の枕崎港まで漕ぐことに。
岬をいくつか越えても、ずっと三角波。
最後、枕崎に入る頃になって、やっと波が収まってきた。
都城の向所さんと林さんが、わざわざ枕崎まで応援に駆けつけてくれました。
うれしかったぁ。
Day19 5月31日(土)
結局、枕崎では悪天候の為に、丸3日間の停滞。
その間に鹿児島市に出たりして、恩師の早坂先生にお会いしたり、鹿児島大学に行っている従兄弟に会ったり。
そういうの、すごく楽しいけど、でも頭の中にはいつも旅程や、天候の変化がある。
だから、100%楽しむわけにはいかない。
この日は気合を入れて、朝6時過ぎには出発。
でも、空振り・・・
なんと、脇本海岸で壊れたラダーがまたも故障。
実は、枕崎でわざわざ鹿児島の安藤さんに来てもらって修理してもらったばかり。
今度は、逆の方のワイヤーが切れてしまったんです。
開聞岳、錦江湾横断、そして佐多岬。
難所を前に、このタイミングで故障したのは不幸中の幸いか。
「どうしよう。」
安藤さんにまた来てもらうわけにはいかないし・・・
うーん・・・・
と、考えながら海岸線の道を歩く。
すると、なんと!
家庭工具のお店、ナフコがあるじゃないですか!
そこで、カシメとカシメを固める工具を発見。
本来の道具とは、若干違うものの、これだったら充分対処できます。
凄くないですか?
このタイミングで、こんな田舎(失礼)にそんなお店が突如としてあるなんて。
その日は、ラダーを修繕をしてこのビーチで宿泊することに。
波が、徐々に高くなり、ビーチにはサーファーが集まる・・・
Day20 6月1日(日)
ビーチでは、朝早くからサーファーがあちこちに。
みなさんには有難い波も、ビーチから出立する私には、やっかいなものなんです。
上空の風も強い。
若干の迷いがあったものの、行けるところまで行こうという気は満ちていました。
いざ。
しかし、沖に出てみると、凄い向い風。
開門岳の影にいるときは風が弱かったものの、近づくと吹き降ろしの風が真正面から吹く。
開門岳の南を廻る予定だったが、東からの強風が山を巻くように吹いてくるために、そこだけが凄い風速になると。
沖にいた漁船のおじちゃんが教えてくれました。
でも、その漁船も風が強くなって帰っていきました。あらら。。。
やっぱり、鹿児島の海は難しい。
10kmしか漕ぐことができずに、海図にも載っていない開聞岳下の、小さな脇見漁港に非難することに。
風は、海面を黒く覆い、顔を上げて漕ぐのも大変になってきました。
ビーチを6時前に出たので、脇見漁港には朝8時前には到着。
んー。なにもやることがない。
開聞岳は、薩摩富士とも呼ばれる円錐型の綺麗な山です。
標高924m。結構高い山です。
高校のときには、毎年遠足で登っていました。
走って登ったりもしていたので、今のトレイル・ランニングの黎明期ですね。
ここで、ゆっくりして夕暮れを迎えます。
開聞岳は、噴火で隆起して出来た死火山。
周りの海には縄状玄武岩という不思議な形をした岩がたくさんあります。
溶岩が海水で冷やされて、固まっちゃったんですね。
綺麗な夕焼けです。
明日は、海に出れるのだろうか。
開門岳をこえると、いよいよ錦江湾(鹿児島湾)を横断。
そして、九州一の難関とされる佐多岬まで。
旅は、まだまだこれから。
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