遠征が終わって、早いものでもう2週間が発ちました。
今回のシーカヤック遠征、宮古島から石垣島までの117km。
正直言って、自分自身では凄く無理したなと思っています。
年齢とかではなく、やはり精神的にも、肉体的にもきちんと用意が出来ていなかったように思います。
身体は正直ですね。遠征3日目、石垣島の伊原間の浜に上陸した時にはもう立ち上がれないくらい腰が痛くて。
外洋に出ているときは、全身全霊で緊張していたので、痛みも感じなかったんでしょうね。
2週間経って、やっとまともに運動できるようになりました。
今回のシーカヤック遠征については、いろんな反響があるようです。
「安全を保障できないから、ツアーを催行するべきではない。」という声もあったようです。
今回は、「ツアー」ではなくて、「遠征」だから、全て自己責任の下、参加者はここに集まっている。
そういう反論は出来ますが、でも、じゃあ「ツアー」は自己責任ではないのか?という反論も出来るし。。。
もっと言うと、「ツアー」だからって本当に100%安全って言えるんですか?ということも出来ます。
外洋をシーカヤックで漕ぐ。
それがイコール危ない。そういう認識だから、そういう声が多く起こるのでしょう。
でも、今回の「遠征」で気がついたこと。実は隊長の八幡さんは前々からクリアにわかっていること。
それは、シーカヤックの遠征で一番危険なこと。
何だと思いますか?
風?波?ナビゲーション?シーカヤックの耐久性とか?
一番危険なこと。
それは、「漕げなくなること」なんです。
私たちの艇も2度ほどチン(転覆)しましたが、チンする度に恐怖感が和らいできました。
パドルさえ離さず、カヤックから離れなければ、絶対前来た道に戻れる。
また漕ぎ出して、目標に向かって進むことが出来る。
そう思うことで、漕ぐ力も出てきます。全身の力も若干抜けて、腰が廻ってパドルに力が伝わります。
「シーカヤックでは、自分がエンジンだから、エンジンが止まることが一番危ない。」
以前に、そう八幡さんから聞いたときは、そんなの当たり前だ、なんて思っていたけれど。
でも、今回の遠征でやはり一番大きかったのは精神的な支柱があったということでしょうか。
八幡さん、やっぱり人並みではありません。
極限の中になればなるほど、人間的な強さ、弱さ、とっても鮮明になると思います。
そんな中、私たち5名を引っ張っていけるそんなとてつもない人間的な強さを見せ付けられた気がします。
ここからは私なりの遠征報告です。
10月13日(土) 快晴
宮古島には、みんなより1日早く入りました。
ニュージーランドからの長旅の疲れを少しでも和らげておきたかったのと、ここの気候とは格段に違う湿度に身体を慣らしておきたかったからです。
島に着いて、夕方には海岸を散歩。
やっぱり田舎の子供はとっても元気ですね。
夕陽に大きな笑い声がこだましています。
元気をもらって、いざ遠征へ。
明日、14日の午後にいざ、集合です。
拝読しました。
「漕げなくなること」は沿岸でなんどか経験しています。
が、外洋では別物だと改めて思い知らされました。
外洋遠征で毎回あたまをよぎるのは「挑戦」「冒険」「危険」の
三文字。
無謀無算とは違うのですが安全でないことは確か。
今回の遠征参加資格に「12時間持続して漕げる」とありました。
その時点でわたしは「冒険」「無謀」が排除されたと考えます。
参加された皆さんに漕げる力量が備わっているのであれば何をか
云わんやです。
素晴らしいリーダーを得て体験された外洋ロング遠征のご成功に
改めて拍手を送ります。
投稿情報: 小僧 | 2007年11 月 1日 (木) 00:16
小僧さん、
コメントありがとうございます。
いろいろと考えさせられた遠征でした。
でも、韓国に渡ったときに途中でへたれた経験、今でも役に立っているんですよ。
この歳になっても、身体で、頭で、学ぶことはたくさんあるんだって常々思います。
と、いうことで早くニュージーランド来てくださいね。
投稿情報: ブラック | 2007年11 月 1日 (木) 15:20
遠征成功おめでとうございます。
とても興味深く拝読いたしました。
いちばん危険なことは「漕げなくなること」というのは、まったくその通りですね。
それとあとは「気持ち」でしょうね。あきらめない気持ち。
先日、日本山岳耐久レースに出場し、最後に必要なのは、技術でも体力でもなくあきらめない「気持ち」だということを、教えられました。
また次なる遠征を楽しみにしています。そして、いつかは自分もその遠征の一員として参加してみたいです。
投稿情報: ヒロクマ | 2007年11 月 1日 (木) 20:52
成功おめでとうございます。
先日お会いしたとき聞いた話と文章で読むのとでは遠征についての印象がかわりました。
私の場合、一度しかカヤックをしたことがありません。ですから「自分自身がエンジンとなる」という感覚は理解しきれていません。
でもそれは人の人生と一緒なんだなとふと思ってしまいました。日々生きることはまさに自分自身がエンジンになるのと同じだと感じました。
次なる遠征もがんばってくださいね!
投稿情報: timo | 2007年11 月 2日 (金) 22:15
ヒロクマさん、
コメントありがとうございます。
また、ハセツネ完走おめでとうございます。凄いですね。
「諦めない気持ち」、大事ですよね。
timoさん、
コメントありがとう。
この間は、お会い出来てよかったです。
日々生きることも、自分自身が歩かなければ前にいけないですものね。
ニュージーランドでお会いできるのを楽しみにしています。
投稿情報: ブラック | 2007年11 月 3日 (土) 02:39
すごいなあ~ほとほと感心します。なんか、ブログよみながら、手に汗握る感じまでします。
ぜんぜん冒険でもなんでもありませんが、自分もアイアンマン・NZ、いつかは完走を目指します。そんときはまたよろしくお願いしますね!
投稿情報: 前川 | 2007年11 月 5日 (月) 14:51