ニュージーランド・ドル(NZD)が外貨に対して、とても強いんです。
「強い」と言うことは、成田空港で日本円から、ニュージーランド・ドルに変換すると、
「えっ?これだけ?」と思うことです。
もしくは、ニュージーランドで物買おうとして、
「えーっと、日本円に換算すると。。。えぇぇぇぇっ!こんなに高いの?日本のほうが安いじゃん!」
と思うということです。
21年と少し前、1985年に為替を変動制(取引できるシステム)に移行して、先週にNZDはUSDに対して一番高い、言い換えると、史上最高に強い水準まで進んじゃったんです。
みんなが(もしくはより多くの人が)USDよりも、NZDの方が価値があると思って(短期的にでも)、NZDを買ってUSDを売った結果です。
こちらに長く住まれている方々に聞くと、
「こんなのは行き過ぎだ。NZDなんて、前はずっと安かったじゃないか。」
そうですね。2001年には、今の半分ぐらいですよね。
でも、行き過ぎとは。。。本当にそうなのでしょうか。
あと、よく聞くのは、
「NZDが日本円に比べてこんなに強く(高く)なったら、誰も来なくなるよ。だって高いじゃない。」
実際、日本円に対しても、ここ数年で最高に高い水準まで上がってきているんですね。
今現在、日本円とNZDの為替レートの仲値(買値と売値の中間)が88円ぐらい。
だから、成田で日本円からNZDに換えてもらおうとすると、手数料入れると1ドルあたり95円ぐらいになっちゃうかも。
「以前は50円台だったんだよ。こんなにNZDが高かったら、観光客も減るに決まってる。」
う~ん。。。。本当にそうなんでしょうか?
それだけが観光客が減少している理由なのでしょうか。
ニュージーランド・ドルの為替相場で一番大きいリスク、それは経済規模の小ささです。
だって、国民400万人しかいないんですよ。
それは何を意味するかと言うと、経済規模、経済状況等の実態と、為替相場が反映するニュージーランドの国力、いわゆるニュージーランド・ドルの為替レートとが乖離してしまうリスクが、大きな市場、USDとか、日本円に比べると、とても大きいということです。
ちょっと誰かが、「NZDをたくさん買いたい!」と言ったらすぐに為替が動いちゃうってことです。
でも、今はNZDが本当の価値から乖離してしまっているのでしょうか?
「昔は。。。」とか、「ちょっと前までは。。。」とか言うのは、今までとの比較。いわゆる経験値からの考え方です。
その経験値からの推察が、現在において正しい物の見方なのでしょうか。
以下が為替の基本です。
自国の通貨が強くて良いこと。
- 他の国の通貨が弱いってことだから、他の国のものを買うのは安い!輸入するには良いってこと。
- 他の国に行ったら、そこの物も安いってこと。海外旅行に行こうよ!
- 他の国に投資するのもいいかもね。だって、今まで買えなかった東京の土地がなんだかNZDに換算すると安くない?
- 輸入するものが安くなったから、この国で買い物するときにも、なんか前より物が安くなったみたい(インフレが収まった)
自国の通貨が強くて困ること。
- 他の国から見たら、ニュージーランドのもの高いよね。だから今まで見たいにたくさん買うのやめよう。(輸出の減退)
- 日本円を変換してニュージーランドの家を買おうと思ったけど、なんか知らない間に高い買い物になってしまったから、やめとこう。だって日本と比べても高いもの。(資本流入の減退)
- ニュージーランドって、安い国じゃなかったの?だから住みやすいかと思ったのに。それだったら違うとこに住むことにする(潜在的移民、資本の流出)
- 旅行、留学で来ようと思ったけど、国内線とか、宿泊費とか、学費とか、日本円に換算したら高くなりそう。やめとこう。
というところですか。
専門家の方、間違ってても厳しい指摘しないでくださいね。もう詳しいこと忘れちゃいましたから。
金利のファクターについてもここでは無視です。
ここで疑問です。
- NZDは、USDに対しても強くなる一方。じゃ、どうしてアメリカ人はたくさんニュージーランドに来るの?ここ数年どんどん増えているよね。日本人は減る一方なのに。為替って本当に関係あるの?
- NZDの買い物。特に不動産。NZDは強くなるし、土地は上がるし。でも、今でも上がり続けている。外国人が買っているっていうじゃない。かれらにとって高い買い物じゃないの?
- ここで家を買おうとすると、日本で家買うより高いんだよ。って、ここの家は日本より安くなくちゃいけないのかな?日本の不動産は高いと久しく言われていたけど、今でも世界水準で高いのかな?ロンドンとか、アメリカ主要都市のほうが、今は全然高いんじゃないのかな?そこと比べたら、ニュージーランドはまだ安い?
- 上がっているのは、NZDだけではありません。金(Gold)も、重油も、世界中のリゾート地の値段も。みんな上がっています。どうしてNZDだけ、もしくはニュージーランドの土地だけが下がるかもって言えるの?今まで安かったから、また安くなるってこと?
- 「だって、バブルのときはドーンって下がったじゃない。今ニュージーランドはバブルじゃないの?」そうかもしれません。でも、日本のバブル時はみんながお金を借りて土地に投資していましたよね。銀行はもっと派手にやっていましたね、色んな方法で。今、高い不動産を買っているのは海外の人が多いそうです。もしくは国内の富裕層。自分の手持ちのお金で買っている人がほとんどでしょう。ちょっと状況があの時とは違うと思いませんか?
こういうの、何が正しいかなんて結果論でしかわかりません。
だから私も何もわかりませんが、一つ言える事は、
「10年前と比べて、もしくは5年前と比べても、世界は格段に狭くなった。」
ということ。
飛行機でどこでも行けるというだけではなく、人々の意識の中で、異国がもう昔のように遠い世界じゃなくなっています。英語が喋れれば、世界は歩けます。
知っている人も、いろんな国に住んでるし。
だから、いいところには前よりもずっと人とお金が集まります。
2006年に、ニュージーランドに移住された方々の数、史上最高です。日本からは殆どいませんが。
いいところです。ニュージーランド。間違いありません。
だから、お金が自由に世界を巡り巡っている現在、ここにお金が集まらないわけはない、と思うけどな。
ニュージーランドは「高い」のが当たり前。だって、いいところだから。そういう日が来るかもしれません。
コメント