今日、7月28日、44回目の誕生日を迎えました。
妻の優子は、一年に一度の帰省。日本に帰っています。
久しぶり(初めて?)、誕生日の夜を独りで迎える。
昼間は、ネルソンから北に位置するGolden Bay(ゴールデン・ベイ)に行ってMTBに乗ってきた。
南半球にあるニュージーランドは、冬の真ん中だけど、素晴らしい天気。
上り坂をこいでいると、どっと汗が出てきました。
南島の北端にあたる、Cape Farewell(ケープ・フェアウェル)。
キャプテンクックが、ニュージーランドにさよなら(Farewell)を告げたことでこの名が冠されました。
タズマン海のうねりが、岩にたたきつけられる。
料理なんて、あまりしたことがありません。
食べることは大好きだけど、カギっ子だった子供のころからインスタント・ラーメンぐらい。
母は大変な仕事で留守がちだったけど、妹二人が料理を作ってくれました。
44歳になって、初めての夜。
NZ Winesの齋藤さんに勧められてケースで購入したピノ・ノワールがうちにある。
Waitaki Braids、ちょっと私としては背伸びして買った赤ワイン。今日は、一人でゆっくり空ける。
夕食も、自分で作ってみる。
スーパーで買った、リブアイ・ステーキ。マーケットで買ったガーリック・ベースの調味料をまぶして焼く。
先日飲み残したワインも入れてみる。
MTBトリップに行くときに作ったサンドイッチに入れたBabay Spinach(ほうれん草)。
そのパックの残りに、だしと庭でとれたレモンと、近所で出来たオリーブオイルでドレッシングを作ってかけてみた。
ご飯を炊くのが面倒だから、お気に入りの地元でできたハーフベイクト(半生)のフランスパンをオーブンで焼く。
妻が作ってくれる夕食には、全然かなわないけど、一応誕生日らしい夕食が出来た。
さっき火を付けた薪ストーブは、赤々と燃えている。
今年になって、本当に幸せだと感じることが多くなった。
妻の優子には、好きなことをたくさんやらせてもらっている。
感謝してもしきれないぐらいに、本当に感謝している。
でも、一番私の心を穏やかにしてくれてることは、家族がみんな元気であること。
父も、母も、妹二人も、そして義理の兄弟も。
優子のお父さんも、お母さんも、そしてお兄さまも。
すごく、すごく、ありがたいことです。
年を重ねるごとに、いろんな人に出会う機会が増えました。
特に、ニュージーランドに移住して、そして「リアルニュージーランド」を始めてから。
私が想像しえないくらい素晴らしい人々に逢うことが出来ました。
感謝、感謝です。
でも、同時に、年をとっていくごとに、永遠のさようならを言うことも増えてきました。
人の摂理として当然のことですが、まだ自分の中で整理がついていない。
心を震わせ、思わず涙してしまうことが増えた気がします。
「頑張ります」
何度、そう言ってきたのだろう。
頑張ることが当然で、頑張ることが格好よくて、頑張ることが正義で。
そう疑いもなく、44年間生きてきました。
でも、本当にそうなんだろうか。
このごろ、そう思う機会が増えました。
そう、永遠のさよならを言うときにも。
英語に、日本でいうところの「頑張る」は訳せません。
「Do your best」とか、「Push it」とか、短期的、一時的な「頑張る」、「頑張れ」はあるのですが。
日本人は、頑張りすぎていないか。頑張るのが当然として、無理していないか。
日本を離れているからでしょうか。時々、そう思うことがあります。
45歳という区切りの年を迎える前のこの一年、私の目標は「頑張らない」ことにしました。
そんなこと言うと、怠惰な生活をイメージされそうですが。
趣味も、仕事も、そして家庭もすべて、頑張らない。
自分の好きなことを好きなだけやることにします。
走っていても、景色が良ければ止まって休むようにします。
仕事がどれだけ忙しくても、夕食の時間には、妻が作ってくれたご飯をゆっくり味わいながら食べることにします。
休みたいときには、身体に相談して寝坊することにします。
ひょっとして、それで犠牲になるものもあるかもしれません。
でも、今の自分に必要な方向性はそんなことのような気がします。
それと、自分の中では、「頑張らない」ことと、「一生懸命」やること、両立できるかとも考えているんです。
なんとなく。
だって、好きなことをやるのに、「頑張る」必要はないですよね。
そんなことを考えながら、独りで夕食を済ませました。
ステーキ、焼きすぎていなくてまずまず美味しかったです。
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