世界遺産に指定されている、ニュージーランド最大の国立公園、フィヨルドランド。
古代から残されている大自然の静寂の中を脈々と流れるホリフォード川。
ホリフォードトラックは、開拓者の残した小さな集落、Gunns Camp(ガンズ・キャンプ)を出発して、ホリフォード川に沿ってタズマン海まで続く56kmのトレッキング・コースです。
私たちが参加したのは、そのホリフォードトラックを3日間で移動するガイド・ツアー。
ニュージーランドでも、こんなツアーは本当に珍しいと思います。
歩くだけではなく、2日目にはだーれもいない川、そして湖面をジェットボートで風を切りながら移動。
最終日には、息を呑むようなMartins Bay(マーティンズ・ベイ)の風景を、地上からと空から楽しめちゃうんです。
そしてゴールは、あのミルフォード・サウンド。
歩きがいもあって、そしてアドベンチャー!
こんなツアーって、凄いですよね。
それにくわえて最高なのは、ツアーがこじんまりしたサイズで催行されていること。
最大でも16名のみ。
私たちのグループは、なんと8名だけでした。
だから、ガイドのBard(バード)がいつも私たちのことを気に掛けてくれ、ずっと話しかけてくれていました。
ミルフォード・トラックもとても良かったけど、50名で移動するとちょっと雰囲気が違いますよね。
第一日目。
ガイドのバードとは、クイーンズタウンを出てバスで移動中、途中の街のテアナウで出会いました。
バードは、もう300回以上もこのホリフォードトラックを歩いている、ベテラン中のベテラン。
パット見ると馬面でこわもて?だけど、すごく優しいガイドさんです。
そして、トラックのスタート地点、Gunn's Camp(ガンズキャンプ)へ移動。
その間のドライブも最高に気持ちいいんです。
これから始まることに、胸を躍らせながら、ここ開拓者たちが住んでいた小さな部落に到着しました。
ガンズキャンプは、ホリフォードの伝説の人物、David Gunn(デビッド・ガン)にちなんで名づけられた場所です。
ガンは、1936年にホリフォードで起こった飛行機事故に居合わせ、助けを呼ぶためにまだ整備もされていなかったホリフォード渓谷、40kmを一人きりで21時間かけて寝ずに移動。
多くの人命を助けたことで有名になりました。今でも、素晴らしい開拓民としてみんなの記憶にある人です。
そして、いよいよホリフォードトラックのスタートです。
まず、バードが説明してくれたのは、どの草が食べたらいけない、触ったらダメ等。
フィヨルドランドをトレッキングをするうえで必要な、大事な知識と知恵でした。
遠くには、ダラン山脈の山々が見えます。
フィヨルドランドの最高峰、マウント・トゥトコを見ることも出来ます。
トラックは、綺麗に整備されていますが、やはり自然の中。
倒木、地すべりがあった場合は、トラックを迂回して進まないといけません。
大丈夫。バードはとっても力強くて頼りになるガイドです。
ホリフォードの水は、とても綺麗です。
本物はもっと綺麗なんですよ。
大きなシダ、古代から生えているニュージーランドの原生の木々。
「凄いところに来たなぁ」というのが実感です。
初日に歩くのは17km。
結構な距離ですよね。
でも、急ぐ必要はありません。
泊まりはロッジ、たとえ暗くなったとしても、灯りをつけて待っていてくれます。
ふーつ。
ところどころに現れる滝の数々。
轟音とともに、水しぶきを浴げています。
下に小さく見えるのが優子です。
これよりも大きな滝があるんですよ。
そして、一日の終わりは、素敵なロッジです。
やっと、着いたぁ。
ベッドも、布団も、暖かいシャワーも用意されています。
雨がひどかった時は、ドライルームを使うことも出来るんです。
素敵なテーブルで、「本当に」美味しい夕食を頂くことができます。
みんなでいろんな話をして、食卓を囲みます。
お酒も用意されています。ご心配なさらずに。
冷たいビールも、素晴らしいローカルワインの数々も。
食事の後は、バードが明日の予定を説明します。
明日の天気もまずまずのようです。
第二日目。
今日のハイライトは、なんと言ってもジェットボートでの移動。
静寂のLake McKerrow(マッケロー湖)の湖面の上を進みます。
ここには、東西に地殻の断層が大きく横たわっているようです。
メルボルンから来たアランも楽しそう。
そして、ここがJamestown(ジェームスタウン)の跡。
開拓者たちが夢見て建設しようとしたこの「夢の地」は、15年も経たずに廃墟と化してしまいました。
夢と希望、そして絶望と。
バードの語りには、心を打つものがありました。
海に近くなってきたので、生態系もずいぶんと変ってきました。
大きな木に、絡まるようにラタが付着しています。
夏には、綺麗な赤い花が咲くようです。
そして、マーティンズ・ベイに到着。
ちょっと歩くと、アザラシたちが繁殖しているシール・コロニーがあります。
子供のアザラシが、興味深くこちらをずっと見ています。
どのくらいだろう。ずっと見つめ合っていました。
今日の宿泊も、もちろんロッジです。
広いダイニング、リビング・エリア、高い天井。
いつかは、こんな家に住みたいなぁと思うような素敵なロッジでした。
そしていよいよ最終日。
午前中は、ロッジからマーティンズ・ベイの砂丘を歩きます。
取り付きまでは、ジェットボートで移動。
そしてそこからは、砂丘を歩きます。
もちろん誰もいません。
この日は、ちょっと風が強くて、雨もぱらついていました。
でも、なんかいい雰囲気ですよね、神秘的で。
砂丘の横には、深々とした林があります。
そこには、雨風をよけて作った開拓者の小屋の跡もありました。
自然の営みは、着々と。
コケも綺麗に生えています。
さぁ。
いよいよ、ゴール地点のミルフォード・サウンドまで。
なんとヘリコプターで移動です。
ちょっと緊張気味の優子。
ワオ!
こんな景色、体験したことありません。
海岸線、深い森、タズマン海の波。
雲、雨、そしてミルフォードサウンドの崖。
あんまり凄いので、写真はこのぐらいにしておきます。
3日間のツアーでしたが、本当に盛りだくさん。
トレッキングも素晴らしかったし、他のアドベンチャー体験もワクワクドキドキでした。
バードは、私が知っている中でも本当にトップクラスのガイドでした。
いろんなことを教えてくれました。
開拓者達の残した努力と悲しみの跡。
野生の植物、アザラシ、そしてさまざまな鳥たち。
必ず、もう一度帰って来たい。
終わったすぐあとに心からそう思う、素晴らしいフィヨルドランドランドでの体験でした。
一緒に歩いてくれたみんなにも、ありがとう。
すげぇ~~!
やはりNZはすごいですね。
NZの自然はルートバーンしか味わった事がないので行きたいなぁ・・・
来年秋から3ヶ月間オーストラリアなのでNZに寄るかもしれません。
投稿情報: 野元団長 | 2008年9 月30日 (火) 13:17
こんな、世界(ガイドツアー)があったとは・・・。
人気の無い自然を体験したいなあ。
投稿情報: ももら~ | 2008年9 月30日 (火) 21:40