日本では、先月末に三重県の尾鷲市で「シーカヤック・アカデミー」が開催されたと伺っています。
主催者の中でも、中心になって頑張っていらっしゃる森田渉さんは、昨10月に宮古島から石垣島まで横断した同士の一人です。
きっと、盛会だったんでしょう。
内田さん、柴田さん、八幡さん等々、錚々たる面子が集まられたようですね。
ニュージーランドでも、2年に一回、Coastalbustersという団体が主になって、「Seakayaking Symposium(シーカヤック・シンポジウム)」が開催されます。
今年は、2月29日(金)から3月2日(日)まで、Auckland(オークランド)の市街地からハーバー・ブリッジを渡ったノースショアのミルフォードという住宅地の町、そこの学校を借り切って行われました。
一言で言うと、まさに「ニュージーランドのシーカヤック文化」に触れて、ただただ驚嘆してしまいました。
参加者は、関係者等を含めると250名以上。
8名一組の「ポッド」と呼ばれるチームを作るんですが、それがなんと24チーム!
・・・ところで、「ポッド」って何ですか?
イルカが群れを成すときに、何匹かでグループを成すらしいんですが、そのグループのことを「ポッド」というらしいです。
各国から、著名なカヤッカーも多々ゲストで呼ばれてきています。
金曜日は、この人たちが講演。
Jim(ジム)とDeb(デブ)は、アメリカのカリフォルニアから来てくれた「Tsunami Rangers(ツナミ・レンジャーズ)」の中心人物のお二人です。
ツナミ・レンジャーズとは、シーカヤックの中でも、いわゆる「Extreme Sea Kayaking」というものを極めるために出来た選抜されたメンバーで構成されたグループです。
いろんなビデオや、本で紹介されています。
見せてくれたスライドショーの一部はこんなんです。
会場には、John Dowd(ジョン・ダウド)をして、「今、生きているシーカヤッカーの中で一番すごいやつ」と言わしめたPaul Cafyn(ポール・カフィン)もいます。
ご存知の方も多いと思いますが、数々のシーカヤック遠征を完遂した冒険家、かつ地学者です。
日本列島を、90日という短期間で一周されました。シンジラレナイ・・・
ポールと記念写真を一緒に。
たくさん日本語覚えていましたよ。「リョウシ、テイキアツ、マンチョウ、カンチョウ・・・」
土曜日は、朝の7時半からコーヒー・タイムでの談笑から始まります。
最初のスピーカーは、Mark Jones(マーク・ジョーンズ)。
マークは、南極大陸をシーカヤックで遠征した数少ない冒険家の一人です。
今は、オークランドのAUTという大学でアウトドア・スタディの講師を務めています。
スピーチのあとに、彼の遠征の写真集を購入して、サインをしてもらって(ミーハーですな)、記念写真です。
スピーチの時は、感じなかったんですが、やはりかなり厳しい、妥協の無い人格の雰囲気が伝わってきました。
8時45分からは、4つのクラスに分かれて、いろんなテーマで話があったり、ディスカッションがあったり。
例えば・・・
- ヨーロッパのシーカヤック・ツアー
- カヤック・セイリングについて
- 旅程のスケジューリングについて
- カヤックのメンテナンス
- カヤッカーのためのヨガ(教室です)
- カヤックからの釣りについて
- 多々、他々。
全部で、20以上のクラスが用意されているんです。すごいよね。
ポールは、つい最近行ってきたグリーンランドの東海岸のカヤック遠征のツアーについて話をしました。
ポールは、現在南島の西海岸(何もないところ)に住んで、KASK(Kiwi Association of Sea Kayakers)というシーカヤックの安全を提唱するシーカヤッカーの団体を運営しています。
ニュージーランドに現存するカヤックの数は、なんと!40万艇。
この国の人口が、400万人強ですから、10人に一艇カヤックを持っている計算になります。
???
「本当ですか?ポール?」
「そうなんだよ。だから事故も増えてきて。それだからやりだしっぺの俺がKASKやらざるを得ないんだよ。」
とのことでした。
それにしてもすごい。
午後4時過ぎからは、ポッド毎に競う、「Lake Edge Session」。
いわゆる会場の裏にある湖で、いろんなカヤックにまつわるゲームをチームごとにやるんですね。
でも、200人ですからね。すごい迫力です。
私は、岸からドローストロークで沖のブイまで行って、そこでわざとチンして、そこからパドルをもって泳ぐ!!
一番きついパートをやらせていただきました。
私たちのポッド・メンバー。
盛り上がりだけだったら、確実に一番でした。
土曜日のセッションは、まだ続きます。
夕食をとったあと、コーヒーを飲みながら、オーストラリア大陸を一周している女性シーカヤッカーのSandy Robson(サンディ・ロブソン)の話を聞きました。
20000キロ。一日20キロ漕いで、1000日・・・
サンディは、明るくて可愛い女性で、「この遠征をやりたいために腰の手術をしたのよぉ。」なんて。
歳も私と一緒ぐらいなんだよなぁ。すごい。
是非、今も続いているサンディの挑戦、以下のHPを見てください。
FAQ(よくある質問)が面白い。「サメに襲われたこと無いの?」とか・・・
https://netstorage.penrhos.wa.edu.au/slap/index.html
翌日に、サンディーと一緒に撮った写真です。
最終日の日曜日。
オークランドから一時間ほど北上したSullivan's Bayという本当に綺麗なビーチで実技のセッションです。
壮観・・・
なんていったって、200人以上の人が自分のカヤックを持ち寄ってくるんですから。
こんなにたくさんのシーカヤックを一度に見たことありません。
最初に、マップをもらい、いろんな岸に上がったらそこでいろんなタスクがあります。
レスキューしたり、どんな装備が必要かいろんな話をしたり。
みんなが、本当にシーカヤックを好きなんだなぁって感じでした。
ポッドで一緒だったChristchurch(クライストチャーチ)から来ていたJohn(ジョン)は、かなりのツワモノ。
真ん中の黄色の帽子の方です。
確実に、そこら辺のガイドよりも、全然、知識、体力、そして経験とも勝っています。
新しいTレスキューを教えてもらいました。パワフルかつプラクティカル。
そして、GPSつきのビーコンも。これは、もう買いました。
ニュージーランドのシーカヤック文化の広がりと、その深さ。
そしてそれを楽しむ老若男女の人々。
本当に素晴らしい。
その素晴らしさに触れた3日間。
2年後の2010年にも、必ず行こうと思います。
みなさんも、是非ご一緒にいかがですか?
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