長い長い9月29日(金)はまだ続く。
ひたすら漕ぎ続けている。
出発して12時間が経ちそうになった時、西表島が見えてきた。
距離としたら与那国から50km地点。うっすらと、本当にうっすらと雲の下にその姿が見えてきた。
八幡さんに、
「あれって、あれって、西表島ですよね?」
恥ずかしいほど、すがるような言い方で聞くと、
「間違いないです。」
との答え。
それまでに、水野さんと何回も
「あれって島じゃないですか?」、「あれこそ島でしょう。」、「ちょっと方向違うけど、あれって島?」
たくさん、幻を見てきましたよ。だからこそ、すごく嬉しかった。
でも、あと2時間弱で日暮れ。
暗くなる前の小休止。絶えず吹き続ける向かい風はその勢いを止めようとも、弱めようともしない。長袖のパドリングジャケットを着込む。
6時半ごろに、水平線に夕日が沈む。ナイトパドリングに突入です。
うねりは依然2mほど。疲労の程度によって、前を走る艇と後ろを走る艇の間隔が大きくなっていく。水野さんと私の艇は、しんがりを務めていたので、遅れそうな艇を引っ張る役割を。午後になって、八幡さんはペースの上がらない3人艇、Great Journeyに交代して乗り込んでいる。そのことで若干チームのペースも上がってきた。
しかし、これからが長かった。。。
暗くなってからは、伴走船がライトを照らして前を走る。その灯りを各艇必死について走る。でも、ついて行ける者と、遅れていく者と。真っ暗闇の中、遅れていって見えなくなって、そこで根尽きてしまったら。。。最悪のことを考えて、水野さんと私は、遅れがちな艇を見つけては近くまで寄って、励まし、ペースメーカになり、前に走る集団に引きあげて、また、先に行き過ぎた艇があれば走って、後ろと離れていることを告げ待っていてもらう。
疲労の為に、後ろを走る艇のペースがどんどんと遅くなる。向かい風も止まない。
午前0時頃になり、先頭を走る艇は遥か前。八幡さんが乗る最後尾艇はその光さえ見えなくなった。
「これはまずいですよね。」
水野さんとそう話して、ダブル艇と、シングル艇にくれぐれも固まって移動してもらうようにお願いして、先方の「元気なおっさん」艇を追跡することに。
ダッシュ!
10分ほどだったのか、真っ暗闇の中を必死で漕ぐ。なかなかこちらに気づいてくれない。先頭の艇も、疲れているのか、自分の位置が、集団とどれだけ離れているのか把握できていないようだ。名前を叫ぶも、先導する漁船のエンジン音にかき消されて聞こえないらしい。必死に漕いで、やっと、やっと、追いつく。
「早過ぎです!」
水野さんからは、
「先頭走るんだったら、後ろ見ながら走らなきゃ!」
でも、そうやって先頭引いてくれる人がいて、チームのペースが上がるんだから、本当はとても、とても感謝しないといけないんだけど。
そこからは、Towingで固まって移動することに。ゴール地点まではあと15km程度。
シングル艇はシングル艇同士。ダブル艇とトリプル艇は3艇つづらなりになって前進。ペースも若干上がる。とは言っても、巡航速度は2kmから3km。
ラスト・スパート。西表島の街の明かりが見えてきた。
以下。続く。
はじめましてブラックさん 私larusさんの海遊び仲間です。
外洋島渡り 22時間完漕おめでとうございます。
ウィットMixのワクワクドキドキ記事を拝読させていただいています。
またショット拝借快諾ありがとうございます。
ニュ-ジ-ランド行ってみたいです いぃですね~そんときは宜しくお願いいたします Good luck!
投稿情報: ISO | 2006年10 月 3日 (火) 21:03
ISOさん、
是非New Zealandいらしてくださいね。
最高に楽しい旅をProduceしますので。
投稿情報: ブラック | 2006年10 月 4日 (水) 18:22