7月4日(月) 晴天 31℃
長く濃い一日だった。
午前4時に起床。津堅島のK君のお祖母様のお宅に昨日からお邪魔している。朝早い出発にも拘らず、笑顔でお弁当まで拵えていただきました。本当にありがとうございます。それから、ビーチまでお見送りに来て頂きましたが。。。
「今日はやめとこうかな?」
ビーチに吹く風は強く、波は荒い。今日は津堅島から久高島に渡っての本島へのコース。かなり厳しい。
「もう一晩お世話になろうかな。。。」
などと考えながら海を見つめる。30分経つ。満潮を迎え、徐々に潮が引き始める。
「時化じゃねぇから、問題ねぇよ。大丈夫、大丈夫。」
昨日の漁師さんの言葉を思い出して、それを支えにしようと何度も口ずさむ。
午前5時40分。
さて、進発。
当初の予定を変更。久高島に立ち寄らず、津堅島から南西に真っ直ぐ中城湾を横断して知念岬まで向かうことに。直線距離で16km程度か。濃い霧の為に全く回りの島々が見えないのだ。もし、久高島を目指し、その南に流されるとそこは外洋。霧が晴れなければ、流されて自分の位置が把握出来ない最悪の状況も考えられる。横断すれば、南に流されたとしても久高島に辿り着く事になるだろう。
濃い霧の中、頼りになるのはコンパスのみ。それも、板コンパスのみ。
南西と南南西の間に進路を取る。途中に浮き灯台が見えるはず。波、風は正面から。昨日よりは波は高くないようだ。
どのくらい漕いだだろう。真っ直ぐ先にうっすらと島影が。あれは知念岬じゃない。南に寄りすぎ。進路を西に変更。横波、嫌だなぁ。
そして、あとどのくらい漕いだだろう。やっと、うっすらと知念岬が見えてきた。フーッ。
でもなかなか近づかない。
やっと、やっと、到着してみたら岩礁で上陸できない。おいおい。そこで岬を廻りこむと、そこはビーチ。でも干潮で干上がっている。よーく見てみる。やっぱり!ちゃんと水路があるじゃない。
上陸!横断達成!
お祖母ちゃん手製のおにぎりとサンドウィッチを頂く。本気で涙が出るほどうまい。ご馳走様でした。
今日は、ここからが長い。
まず奥武島を目指す。
リーフの中を漕いだり、干上がっているところは、沖を廻ったり、もしくは浅瀬をカヤック引いて歩いたり。
やっと、奥武島に到着。前にここで酒井さんと一緒に漕いだなぁ。
ビールと沖縄そばを食す。観光地だからちゃんと食堂は開いてるんだ。それから一時間ぐらい昼寝です。
15時20分。午後になって若干波が高くなってきたが、喜屋武岬手前のの唯一のビバーク場所の大度海岸に向かってスタート。
今までとは全く海の雰囲気が違う。表情は外海。右手に海岸はなく、切り立った崖。やんばるで漕いでいた頃を思いだす。その時よりも確実に恐怖感は無くなっている。人間進歩するもんだ。慣れか?自信か?
大度海岸が、なかなか近づかない。波をかわすのに精一杯であまり速度は出ていないようだ。
「東屋」が目印。そのふもとに水路があるらしい。
波が高くなる。リーフの外側を漕いでいるが、リーフの中に本当に入れるんだろうか。
大度海岸が見えてきた。ここからが勝負だ。水路「らしい」ものも見えてきた。でも、そこだけ波が無いというわけではない。若干の波の切れ目がある程度。沈する心構えでそこを目指して漕ぎ進む。サーフの連続。波に対してカヤックを縦にして進む。スピードも相当出ている。何度かスターンを取られそうになるがこらえる。こらえる。こらえる。やっぱり怖いなぁ。
やっと(こればっかりだな、今日は)、リーフの中へ。平和。長い一日が終わる。
ビーチにテントを張って、東屋に行くと地元のおじちゃん達がそこで酒盛り。混ぜてもらいました。生ビールも横の海の家みたいな建物で売ってたんだけど、1杯目は250円、2杯目からは200円。でも3杯目からはタダでした。ご馳走様。
今日はちょっと飲み過ぎそうだ。
漕行距離 34km
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