My Life, My Real Adventures: 挑戦 in New Zealand! 岩本輝雄さんのケース

岩本輝雄さんのことを、ご存知ですか。

1994年にJLeagueにデビューして10年余にわたって第一線で活躍された、サッカー界のスーパー･スターです。甘いマスクなのに、闘争心あふれるプレーや、思い切りのいいミドルシュートで皆を沸かせていました。日本代表キャップを53も持っていらっしゃる凄い方です。

なんとその岩本さんが、Auckland City Football Clubに移籍されるということが正式に発表されました。Auckland City FCは、今年の末に日本で行われる世界クラブ選手権に、オセアニア代表として出場します。そのための補強選手として、岩本さんに白羽の矢が立ったのです。

だから、行って来ましたよ。ゲームを見に。

Auckland City FC vs Hawkes Bay United

朝から土砂降りの雨。行くのよそうと何度も諦めたんですが、やっぱり行っちゃいました。それも、結構ドキドキしながら。

Auckland FCは、2004年、2005年と、ニュージーランド最高峰のNZF Championshipを連覇している強豪です。でも、実際はメンバー皆がサッカーの他にも定職を持つ、セミプロ・チームです。だから、スタジアムも、ファンの方々も、とっても家族的です。

入場料はNZD8ドル。チケットを切るおじさんは以下のとおり、ゆっくりした感じです。

ゴールのすぐ後ろには、クラブ･ハウス。2階はもちろんパブになっています。Lion Red、1パイントでNZD3.5ドル。日本円で300円足らず。安いよね。皆飲んでいました。

岩本輝雄さん、とても歓迎されているようでした。下の紹介文のパンフがファンの皆に配られていたし、パブのNotice Boardには、でかでかと写真が飾られていました。日本語の紹介も掛かっていたんですよ。

結局、岩本さんは、今日の試合には出ていないばかりか、実はチームとの合流も今週の半ばになるということがわかりました。控えの選手に聞いたら親切に教えてくれました。

「いい選手だってね。」と言われて、「日本代表だったから、当たり前だよ。」と嬉しくなって、胸張って言いました。

試合はAuckland FCの貫録勝ち。終わってみたら6対2。大味ながら、凄みのある試合でした。

とにかく、皆でかい。そして、強い。ラグビーの国だから、当たられて転げるような奴は、「Hey, Giｒｌ!」とか言われて馬鹿にされるので、誰も弱音はかないし（選手が転げて痛がるの見るの嫌いです）、本当に鍛えているなって感じです。でも、テクニックは断然日本人の方が上かな。岩本さんが、うまくフィットできるんじゃないかなぁ、と期待も含めてそう思いながら見ていました。

現役時代から、岩本輝雄さんのことは注目していましたが、今年の4月、NHK BSの「街道てくてく旅」という番組で、久し振りに拝見しました。サッカーをしている姿ではなく、東海道五十三次を歩く旅人として。上記のHP上の本人のメッセージにも書かれていますが、「人生のハーフタイム｣として、今回の長旅に挑戦されたということです。

良く見ていました、この番組。何でだろう。毎日、宿場から宿場に歩いて、そこの風景、人々などを紹介するだけのとてもシンプルな番組なんですが。でも、私と同じように惹きつけられていた人が実はたくさんいたようで、ゴール地点の鴨川河川敷では数百名の人が早朝なのに出迎えに来ていました。凄かった。

もちろん、岩本さんのお人柄はとてもマイルドで、顔も二枚目だし、語り口も柔らかで爽やかだし(全部僕に無いものばかり)。そりゃ、人気出ますよね。でも、私が、そして多くの人が、惹かれたのは岩本さんのサッカーに対する姿勢と情熱だと思います。2004年から、怪我の為に手術、リハビリの繰り返し。番組中にも高校の恩師から、｢まだやるのか?｣と言われたり。でも、その時も「全然やめる気ありません。」と力強くおっしゃっていました。年齢も今年で34歳。2年強のブランクを経て、いざニュージーランドです。

元日本代表の方と比べるなど、甚だおこがましいのですが、第2の人生を同じ2006年10月にニュージーランドで始める自分にとって、やっぱり「精一杯の応援」させていただきたいなと思い、今日グランドに来ちゃいました。日本と比べたら、JLeagueと比べたら、とても簡素なところだけれど、自分の気持ちと勇気があれば、力強く前に進める、ニュージーランドはそんな場所だと思います。

頑張ってください。岩本さん。

11月4日が次のAucklandでのHome戦。岩本さんのHomeデビューになるのでしょうか。くしくもその日は私の英語の試験日。私も精一杯頑張った後に、そちらに向かいます!

是非、勝利の美酒を!