Cross the border

ビートルズがやって来る、ヤァ！ヤァ！ヤァ！

1949年生まれの父親を持つと、ビートルズが懐かしいと感じる時があるんです。
車の中でかかっているテープ、日曜日に家で流れている曲、なんて身近な存在でした。こう言うと、格好つけてるみたいで嫌ですが。

小学校4年になる時かな、僕の小学校では委員会に入らなくてはいけない義務がありました。何の気無しに放送委員会に入ったんですが、その会の仕事は給食時間のBGMを流すことだったんです。

ちなみに僕が子どものころといえば、光ゲンジとウインクが絶対的な人気を誇り、何でもローラースケート、かーくんのハチマキ姿が最高に光っていた時代でした。

全てがパラダイス銀河だったある日、僕にもBGM当番が回ってきました。やはり、ここはビシッと来るやつを、というわけで僕が選んだのはビートルズ。

「いただきます」。いつものように、皆がガラスの十代を期待している中、流れ出したのは名曲「Come Together」。

「…」
「誰？」
「かーくんは？」

時代を動かした瞬間だと思ったんですけどね。今も昔も時代はそう簡単に動くもんじゃないようです。

雨が降る前に。

「極東に残された楽園」へ。

葉山に住んでる先輩と、この話題で最近ちょくちょく連絡をしている。その先輩とは、シーカヤックの寺田匡志さん。こういった話で真剣になれる人が、周りに多くて僕は本当に助かっている。
そんな寺さんと僕は、樺太やカムチャッカという場所に惹かれている。ここにある自然がどんなものなんだろう？昔から気になっていたことだけど、ようやく手が届きそうな気がしてきた。

そこで気になるのは、最近のロシアの動向だ。「エコは金にならない」と言い切り、ものすごい勢いで開発をしている。僕はそれを間違っているとは言わない。開発が儲かるのは通例だし、あの面積を考えればドル箱話、放って置く方が馬鹿を見ると思うだろう。

とは言え、豊かな国でのほほんと育った僕にしてみれば、残された楽園には早く行かなくてはいけない思う。焼きたてのパンが売り切れる前に、と言った心境だろうか。

15年ほど前、僕の母が樺太に仕事で行ってきた時に、「油田とか、ガス田がすごかった」と話してくれたのを覚えている。時間は僕が思っているほどさえ、本当は残っていないかもしれない。

例の車、ライトエース。

「取材で札幌行ったら、例の車を見たよ。」
カメラマンの友人から、こんなメールが入っていた。

例の車とは、今はHPLUSの新井場さん（たーちゃん）が乗っている車。僕がニュージーランドに行くから、たーちゃんが引き取ってくれた、あの車のことだ。それが遂に雑誌デビューを果たすのか…、なんてことを考えると、少し嬉しくなった。

写真のモデルを買おうとしたけど、全然見つからなくて一つ後のモデルを買った。もちろんマニュアル、ディーゼル、色は真っ青。中古車屋の友達が、これで本当に良いのかと不安で僕にオークション会場から何度も電話をかけてきた、なんて一癖ある車。
ハンドルは重たい、助手席や後部座席のシートは倒れない、ラジオもAMしか入らなかったけど、すごく気に入っていた。木の板を買ってきて、サーフボードやスノーボードを積む用のラックを作ったり、自分の部屋みたいになっていた。広くて、燃費も良くて、気を使うこともない、良い車だった。

今では、たーちゃんの手によりBOSEのスピーカーが入って、さらにパワーアップしているとのこと。
何だか嬉しい話しじゃないですか。これからも、北海道の海から山を縦横無尽に走ってもらいたいものです。

予知は難しい。

なんだこれ？
中国のブツであることは間違いない。

なになに…、へぇ？

下に書いてある文を読んでみると、地震を予知する道具とのこと。いやはや4千年の歴史というのは、何でも神秘的に感じさせてくれますねぇ。しかし、これでどう予知したのか、設計者に詳しく話しを聞きたいものです。

予知と言えば、先日、大学のラグビー部の親友から、こんなメールが届いた。

「ヤスオに子どもが出来た、詳しくはヤスオへ。」

失礼な話だが、この事はヤスオを知る人間は誰も予知できなかった事だと思う。たとえこの中国の道具を使っても、無理だったはず。

「二等兵」という名で親しまれたヤスオ。毎日、ボンカレー食べてたヤスオ。様々な伝説を持つ彼は、思い出せば少し神秘的な部分を持っている男だった。
そんなヤスオは「卒業したら新宿に行く」と、あまりに漠然すぎる一言を残したきり、消息が途絶えた。

それから5年が経ったある日、日本に帰っていた僕は、大学の仲間3人で飲んでいた。渋谷で飲み始め、下北、明大前という感じでベロベロになるまでダラダラ。
「キリがないから、うちで飲むかー」と言って、居酒屋を出た瞬間、ママチャリに乗るヤスオが3人の目の前で止まった。そして何事も無かったかのように、こう言った。

「元気？」

これは同じ釜の飯を食べた男達の、5年ぶりの挨拶ではない。地方大学のラグビー部出身者が、すごい偶然で東京の世田谷、しかも明大前駅の裏側（甲州街道の逆、松原側）の居酒屋の前で夜中にばったり再会した時の第一声ではない。でも、ヤスオはそういう男だった。

神秘のベールに包まれた男、ヤスオ二等兵。彼の子どもが、すくすくと成長してくれることを切に祈っている。

ちなみに彼の奥さんが、どういう人かは誰も知らない。

「座右の銘」について考えてみる。

高校に入学する前、父親に「座右の銘くらい、言えないとな。」と言われた。

本当は探すもんじゃないんだろうけど、当時は真剣に探した覚えがある。でも全然見つからなかったから、ずっと座右の銘無しの生活を送ってきた。高校も大学も常に目標と目的があったから、必要じゃなかったんだと思う。それに、たいした苦労もしてなかったから、良い言葉にも重みなんて感じなかった。

社会人になるちょっと前、僕は自分なりに色々考えた。
自分がしたいことの為に、自分は何を出来るか。これを真剣に考えて、思ったとおりの道に進んだ。今振り返っても、良い方向に進んだと思う。

会社に入ってすぐに僕は、直属の上司に「3年経ったら辞めます。」と言った。きっと冗談だろう、と思って頷いていたけど、変なやつだって思われたと思う。でも、僕はその気だったし、そういう計画を立てていた。

3年間、真面目に働いた。沢山勉強した。良い会社だったから、このまま居ても良いかな、って思う事ももちろんあった。でも、3年が経とうとした時、夏目漱石が言ったこの言葉に出会った。

「千里の道は見ず、ただ万里の空を見る」

3年経って、ようやく仕事が上手に出来るようになった頃だった。でも、その言葉にドキッとして、会社を辞めて外国に飛び出した。ボロボロの車で生活したり、何でこんなことしてるんだろ、って思うことも沢山あったけど、大学の頃に考えたことからブレてはいない。良い方向に進んでいると思う。

それから、手前のことばかり考えてしまいそうな時、必ずその言葉を思い出す。父親に言われて、10年以上経ってようやく見つけた座右の銘。これで高校に胸を張って入学できるくらいの大人になった。

引越しました。

どこか垢抜けない家ですが、僕はここに住んでます。
この家は手造り。造ったのは、この赤い車のオーナーのRexさん。こっちの人は自分で家を建てる人も多くて、こうやって家を造って、何年か経って使わなくなったら人に貸すのが通例。こんな適当な造りでも、しっくりはまるのがニュージーランド。何だか適当で良いですねぇ。

さて、今までと大きく違うところはテレビがあるということです。
ほとんど見てないんですが、あるのと無いのでは何かが違う。素直に嬉しい。子どものころ、実家のテレビがダイアル式からリモコン式に変わった時の喜びに似ている。きっとテレビって、そういったものなんでしょう。でなければ、ゴルフコンペでプラズマテレビをゲットした僕の父が、あそこまで喜ぶわけありません。

1人暮らしには十分な大きさ、ソファのすわり心地も良い、置いてあった包丁セットの切れ味も良い。でも、寒い。昼間は、外の方が暖かい日もある。最近ようやく温度計を見ても、驚かなくなった。というわけで、そのうち暖かくなるでしょう。

FurbyはRexのところの犬。
頭も良くて、可愛いんだけど、こいつのお陰で読みかけの本が進まない。
うーん。

冬のお盆。

日本はお盆休みのようですが、冬なんですよ、こっちは。
こっちはと言っても、写真はクライストチャーチ、僕が住んでるところではないですけどね。

冬。
札幌生まれの僕にとって冬は、楽しみの一つでした。雪が降るたびに、これが根雪になるのかっていつもどきどき。スキーは毎日出来るのが当たり前でしたからね。今思えば、贅沢な話です。

というわけで、ニュージーランドの冬。
真冬でも昼間には10度くらいには、どの町もなります。雪は街中には全然降らない。でも遠くに見える山は真っ白になってて、うーん冬なのかな、という感じ。
考えてみると、そんな場所に住んだこと今までなかったんですよ。だから、なんだか変な感じなんですね。冬は雪があるもんだと思ってましたからねぇ。

雪の代わりに冷たい雨。
これまた僕にとっては初めてなんです。嫌ですよねぇ、冷たい雨って。なんか憂鬱な感じになりますし、サンダル愛好家としては嫌なもんですね。

金沢観光

後楽園、偕楽園、兼六園。日本の三名園のことですね。
この写真は、僕がこの間まで居た町、金沢にある兼六園です。右側にちょこっと写っているのが徽軫灯籠、何て読むか分からないですよね。どうやらこれで「ことじとうろう」と読むらしいです。

灯篭の足が二股になっているのが、珍しいらしいんですが、そう聞くまで気付きませんでした。鈍感なのって嫌ですね。
マンホールの蓋でも、これを象ったのがありましたので、シンボル的なもののようです。
何でも、昔壊されたことがあったようで、本物は大切にとっておいてあるようです。イタリアの落書き、モアイ像に落書き、色々ひどい話は聞きますが、破壊とはひどいですね。

このままずっと歩いていくと、聖徳太子の像があったり立派な松があったりして、山崎山という海苔屋さんのような名前の場所にやってきます。ここは何てことないんですが、苔とか松が良い感じなんです。裏側の階段なんかも、適当に作った感があって、昔らしくて良いんですよ。
完璧じゃないほうが良いですよね、こういうのって。ちょっと隙がある感が良い、というか…。うーん、なんかいやらしい表現ですね。
まぁ、とにかく僕はここが好きです。あんまり人が居なかったから、人気はないと思いますが。

石の積み方とか、木の生え方とかが実に良い。
そうそう、ここに行く手前に加賀城の石川門というのがあるんですが、それも石の積み方が実に素晴らしいんですよ。
それを言っていくと加賀城の石垣も素晴らしいんです。金沢は石垣好きにはたまらないところです。雪が多いからかかな。

金沢、なかなか行き辛い場所ですが、高山とぶつけて行くのがおすすめです。

助けられ人生

今日はオフィスからの眺めが良かったです。
忙しい合間でも、こんな景色をふっと見るとやはりニュージーランドは良い所だな、と思います。
とは言え、日本で仕事をする3ヶ月くらいの間も僕には大事な時間です。気持ち良い風呂でも、ずっと入っていたらのぼせてしまいますからね。やはりバランス、が大事です。

「なんでニュージーランドだったんですか？」、とよく聞かれます。理由は沢山あって、なかなかうまく答えられないんですが。でも、ひとつ言えるのは、一度も行ったことも無ければ、なんの伝手もないこの国に、僕はしばらく住むことになるだろう、とは感じていたんです。かっこつけじゃなくて、本当に。
とは言っても、その間に偶然が起こったり、何人もの人に助けられたりして、こうしているんです。本当にありがたい話しです。

ラグビー部精神とでもいいますか、今までは助けられてばっかりだったので、これからは助けれるようになっていかなくてはいけませんね。最近、少し大人になれました。
やっぱりこっちに帰ってくると、おおらかな気持ちになれますねぇ。

旅行する理由がほしい時

ふっと思い出したけど、昔は考古学者になりたかった。とは言いつつ、建築家にもなりたかったけど。
色々と民族学とか考古学とかの本を飛ばし読みしたり、博物館をとりあえず行ってみたりしているのは、この思いが抜け切れていないからなんでしょう。

壮大な話しへと変わりますが、人はどこからきたんでしょうか。でも、この話を始めると「～民族はどこからどう来て…」とかって諸説色々、着地点の無い話になってしまいますねぇ。
それはそれで楽しかったんですが、やはり日本人のルーツを探したくなってきました。

というわけで、中央アジア、バイカル湖、カラコルム、行ってみたいですね。あれ、ただ行きたいだけなのかも…
回りくどい話になりましたが、結局は旅行する理由が欲しいだけかもしれませんね。